【代表の想い】vol.25[石積み講習会]


皆様こんにちは。清水園でございます。

本日お話いたしますのは、平成23年に青森県で行われた「石積み講習会」に代表が参加した際のエピソードでございます。


「その時に講師を務められたのは、日本で石積みの名人といえば必ず名前の上がる’寺下 弘’氏でした。全国の石積み・庭園修復といえば寺下さん…これまで何度かお話している御手洗さんのご紹介で面識はあったのですが、寺下さんが講師を務められる講習会に参加するのはこの回が初めてでした。」

講習会は青森市の都市公園・合浦公園を会場に行われました。青森・宮城・岩手・福島から約40人が参加されたとのこと。


「初日の午前中は座学で、寺下さんが用意された資料を元に作業の流れや基礎基本を学んでいきます。」

私もその際の資料を拝見したのですが、なるほど。石積みの種類や石を置く順序なども細かく記載されています。


「私は石積みの名人だった初代と入れ替わりで職人になり石積みを行ってきたので、寺下さんに学ぶまで石積みの諸々は全て独学で行ってきました。やはり資料などを元に体系的にご説明いただくと非常に理解が深まりますね…意外と知らなかったことや新しい発見も多くあり、非常に学びが多く刺激的でした。」

確かに…感覚的に実践している物事も、理論的に学び直すことでより自信を持って取り組めるようにもなりますね。


「中でも、寺下さんが得意とされているのは’野面積み’でした。研修内容も野面積みの指導が中心で、当時私はウェルコムの野面積み以来…でしたので2回目の野面積みの挑戦となりました。」

石にも広い面・狭い面と個性がございますが、野面積みは狭い面を表に使うのが特徴的なのだそう。また、石を上に重ねる分荷重が重くなりますので、横に使うのではなく縦に使うとのこと。

「野面積みは基本的に石の正面が平らでないと使えませんので、使えるように割るなど加工を行います。勿論コツが必要な作業なのですが、やはり寺下さんは石の割り方…道具の使い方がお上手で、丸い石まで四角くされている様を見ていると名人と言われることも合点がいきます。’石を割る力加減’がなんともお上手なのです。」

同じ職人同士だからこそ、見えてくる技術力の高さというものがあるのですね。


「そうですね。また、石積みにおいては加工についてもそうですがやはり石の並び…配置を見極める審美眼が最も大切なことだとも改めて感じました。限られた工期であまり加工しないで済む石を見極めること。実際的に効率良く作業をすすめる上では欠かせません。」

石積みを得意とする代表の言葉には、説得力がございます。


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「講習会は2日間。植え込みの土台となる石積みを施していきます。直方体4面が2組、全部で8面の石積みをチームで製作していきます。」

なるほど…2日で仕上げるとあれば、スピード感を求められますね。40人ご参加されていて、それぞれ役割分担をして進めて行かれるのでしょうか。

「通常ですとそうですね。ですが、講習会に参加される方によっては’石を積んだことがない’という方も勿論いらっしゃいます。遠巻きで作業工程を覚える方もいれば、私のように寺下さんの隣にずっといる…というような場合もあるので、実際に作業をしていたのは10人程度だったように思います。」


代表の積極性が功を奏し…一日目に寺下さんが一段目を決められた面を、二日目に代表が引き継いで作業されたとのこと。

「積みながら寺下さんの解説が加わるので、非常に有意義でした。寺下さんは基本や力学に沿った、積んでも100年200年崩れない置き方を指導してくださります。特に角石は’適当に置いたら駄目だよ’と講習会でも強く仰っていました。二日間でしたので積んだ石を外して積み直す…といった事はほとんどありませんでしたが、隣で細かく手ほどきを受けましたね。」

講習会での石積みは公園での施工ということもあり、耐久性の観点から’練積み’といって一段積んでコンクリートを流し込む積み方で行われたそう。コンクリートを多用するので石積みの詳細は割愛されながらも、寺下さんは終始「基本に忠実に積んでください。」と講習を進められたそうです。


「石積みは下の石にかかる荷重を分散させる事が重要です。一点荷重ですと、崩れやすく危ない石積みになってしまいます。それを避けるためにも、’算木積み’といって大きな石を一本置きに積む手法があるのですが…それを用いることで石の荷重を分散させ安定感をもたせることが出来ます。この講習でも、角石にそれを用いています。


また、小さな石をたくさん挿していますがコンクリートが見えないようにする役割と、地震などが来た場合の緩衝材となる役割を果たしています。小さな石を作るのもまた大変な作業ではありますが、仕上がるとやはり見た目も華やかに仕上がりますね。」


寺下さんから直接手ほどきを受けながら、代表曰く「その後も顔を覚えてもらえたことが収穫だった」と語ります。

「講習会は二日間で終わってしまいますが、人間関係はその後もずっと続きます。やはりその後も様々な事を教えていただけるきっかけにもなりますし、そういった意味でも積極的に講習会に参加できたことは自身にとって意義深い体験となりました。」

経験を培うだけでなくご縁を繋ぐのもまた、自身の行動一つなのかもしれません。