【代表の想い】vol.37[青葉区 Y邸植栽工事]


皆さまこんにちは。清水園でございます。

この頃は、皆さまのお仕事内容によっては通勤がなくなりご自宅でお仕事をされる…という方も増えたのではないでしょうか。造園業は当然のことながら外の仕事ではあるのですが、友人知人で「パソコンとインターネットがあればどこでも仕事が出来る」という方も少なくありません。

その分、自宅で過ごされる時間が長くなるに伴い、お部屋の内装や日々を過ごされる空間に手を入れる…という方も増えているようで。やはり日々目にする場所というのは皆さん快適に整えておきたいのが人情です。


「庭もまたそう言えるのでしょうね…今回お話しするのは、中古で一軒家を買われたお客様の造園工事です。

実はこのお客様の親戚一同、私が庭を手がけており…それもあって私の仕事はあらかたご存知の方でした。打ち合わせも特になく’殺風景だから庭らしくしたい’との事で、設計図もなく作り進めていきました。」


これは私自身が以前から気になっていた事だったのですが…代表がこういった案件で庭を手がけられる際、どのような進め方で庭を作っていくのでしょうか。


「現場でイメージしながら作ることもあるのですが…庭の完成イメージは突然湧いてくることがほとんどです。

なので、庭を作るまでにしばらく時間がかかることもございますね…気が乗らないと変な庭になってしまいかねませんので、考えがまとまってから仕事をしたいのでどうしてもお待ちいただくようになってしまいます。

ただし、工期が決まっている現場の場合はまず手持ちの材料から決めて進めていきます。例えば、この現場ではアクセントにもなっている水鉢と灯籠を使おう、と資材置き場で材料を見つけてからスタートしています。

この水鉢と灯籠は玄関を開けて一番先に目に入る場所に設置しました。水鉢と灯籠といえば、日本庭園のお約束のモチーフ…ここではあまり約束事には囚われずに使用していますが、やはりあるだけで毎日の生活に心の潤いが生まれます。お家自体が和風な佇まいのお家ですので、それがアイディアのきっかけにもなりましたね。」



灯籠自体は、10年前に購入されたとのこと。業者さんがトラック一杯に運んできてくださったとのことで…ストックがあったそうです。


「材料は、どこで使おうか・いつか使えるだろう…などと想像するのも楽しいものです。庭を解体した時に引き上げてきたり、またこの灯籠のように古い材料はなかなか出てきませんので、出てきた時に購入するようにしております。

と申しますのも…ふんだんに材料をストックしておくと、アイディアと繋がりすぐ庭づくりに入れるからなんですね。

石たちも相談しているかのように、上手く噛み合ってくれます。無意識のうちに自分自身で選び取ってはいるのでしょうが、やはり材料からアイディアを膨らませるのは…独自性を反映させられるだけでなく、効率アップにもつながるのでいい進め方だと思います。ただお金がかかるのと集めたものを置いておく場所がいるのが問題ですが…」


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水鉢を灯籠からアイディアを膨らませスタートさせた個人宅の造園工事。ここでのコンセプトは「歩きやすい庭」だったとの事。


「このお宅には階段を登ったところに庭がありました。敷地面積的には決して狭くないのですが、階段正面に生垣があることでわざわざ狭くさせていたんですね…ですので、元々あった生垣は他のところに植え替えるなどして、階段正面にはダイスギを中心に植え替えを行いました。

お宅自体は山の方にありましたので、スギが生えていてもおかしくはありません。また、ダイスギは幅がないのに背が高いですから、狭いところに使いやすくうってつけです。」


確かに…着工前と完了時のお写真を見比べると、随分風通しがよくすっきりとした印象に変わっています。さらに、玄関までの飛石も非常に印象的です。


「着工前の飛石は…置き間隔も広く安心して歩けるような状態ではありませんでした。一歩目の踏み出しがちゃんとして、安心して玄関に入れるかが飛石の配置としては大事です。」


日本家屋の多くは、玄関まで直進するもしくは直角に曲がる…といった作りで、飛石も動線に応じて大きさを選定されるのだそう。

「ここのお宅はUターンして入るという特殊なタイプでしたので、歩くところが小さいと歩きにくい…両足が乗るサイズの飛石である必要がございました。肩がぶつからず下を向かなくても安心して歩ける大きさの石を選びました。」


また、玄関は地面よりも15cm高いため、飛石も5cmずつ高くなるように配置しているそうです。これくらいの段差でしたら、階段というよりはスロープを登る感覚で無理なく歩くことができそうですね。


「そうですね、一方で…飛石はどうしても爪先がよく引っかかってしまう場合もあります。飛石と飛石の間に玉竜を植えてありますが、これらが伸びてくると爪先も引っかかりません。

また、ここの飛石は庭の構成としてもインパクトがあるように配置しました。ですので…やはり置きすぎるとくどくなります。自由に歩いても良いように砂利を配するなど、見た目や動線はじめ家主の生活スタイルなども加味しながら施工を進めていきました。」


代表曰く、「10年経つと随分庭の風景も変わる」とのこと。庭は作ったところからスタート…どのように最終的なゴールを目指すのか、植栽の手入れも加味して苗木を植えるなどして完成度の高い庭づくりを心がけるのだそう。

確かに、庭は管理によって良くも悪くもなり、その当時庭を作った人のコンセプトでも左右されるもののように感じます。家主の経済状況・生活スタイル…配慮すべき点は数多くあるのですね。


「そうやって考えながら庭を作り、二・三日で大きく風景が変わると…やはり庭師は詐欺師だな、なんて心の中で笑いながらも、お客様に喜んでいただけるとやりがいがありますね。このお宅は、手入れも私が手がけています。全幅の信頼を置いていただけるのもまた大変嬉しい限りです。」


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