【代表の想い】vol.47[通路拡張石積み]


皆様こんにちは。清水園でございます。

日々季節の移ろいを街の空気から感じるとともに「すべては刻一刻と変化を続けているのだな」と思うこの頃。

周りの変化を感じることもあれば、意図的に変化させることも、皆様お有りかと存じます。

本日お伝えするのは、そんな「変化」がキーワードとなる現場です。



「結論から申し上げると‘通路拡張に伴う石積みの現場’です。東北福祉大学第二キャンパスには野球場があるのですが、仙台6大学の野球大会会場にもなる規模の球場なんですね。


大会当日ともなれば仙台全域から学生や親族の方々がお越しになります…そう、駐車場が足りなくなるほどに。その為、20台追加で駐車できるように造成を行いました。

ですが敷地にも限りがありますので…そうなると、山を削り地形を変えて工事を行うこととなります。」


着工前後、そして作業中のお写真を拝見すると、その地形の変化に驚きます。元々道路があったところを、山を削って拡張されたとの事。

サクラが植わっている通路でしたので、サクラは一度移設し工事を終えてから元に戻したのだそう。


「サクラは18本ほどございました。冬は仮植えをせずとも問題がないことと、現場は3週間という工期の突貫工事でしたので…植物達への負担は少なく済んだように思います。」


最終的には、石積みを終えた後に法面へ移植…サツキなど低木は、敷地内で掘って出てきたものを再利用されたとのことです。


「山はかなり大胆に削りました…出た土は、近隣で増設中のパークゴルフ場へ持っていくなどして残土も少なくなるように進めて参ります。

こういった道路が現場となる場合には排水溝が必要ですので‘U字溝’といって雨水を流す為の排水溝を設置します。

今回の現場では、元々あったU字溝を外し石積みをした後に再設置しました。道路のラインと幅は必ず決まっていますから、その幅からでないようにする事と、加えてカーブの石積みですから…かなり難易度が高い石積みでしたね。」


確かに…代表は石積みの際水糸を使わずとも真っ直ぐ積むことの出来る技術をお持ちですが、今回の現場では使用されていたご様子。短い工期においても高いレベルが求められます。


「駐車場20台分の増設ですから…面積も相当なものでした。道路の長さで申し上げると、およそ40〜50m。外側内側と両面ございますので、延べ100m程度の石積みでしょうか。」


100mの石積み…なかなかお目にかかれる機会もなさそうです。しかしながら、もしこの100mが全てコンクリートだったとしたら…随分印象が違ったように思われます。


「そうですね、コンクリートで固める方法は多くございますが、無機質な印象になることと工期が長くなることは否めません。石は石なりの硬さや存在感はあるものの、やはり自然のもの…一つ一つの美しさよりも全体を見た時の美しさは、独特の魅力だと感じます。」


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「仕上がりは法面ですが、仮にここが垂直のままですと土砂崩れになってしまう場合もあります。ですので、上部の法面もさらに削り…なだらかにして法面を作っていきます。

ここでの現場は、特殊な腕の長い重機を使用して上から削っているのですが…今回は法面の作成及び土の運搬は、道路屋さんが担当してくださりました。」


なるほど、現場によっては複数の業種が一緒に作業することもあるのですね。


「そうですね。小規模な現場の場合は自社だけで済ませてしまうことがほとんどですが…この規模になると役割分担をしながら計画的に作業を進めて参ります。


こういった法面を作る作業にも、法面職人と呼ばれる程法面の整形に長けた方がいらっしゃったりもします。

例えば…私は現場の中で石積みを行うことが多くございますが、造園屋によっては剪定を行うだけのところもあれば、公共工事だけ、外構ばかり…など、本当にまちまちです。

石のワイヤーをかけたことのない方も多くいらっしゃるのではないのでしょうか…一口に’造園屋’といっても、得手不得手や主たる作業は人それぞれなのです。」



造園における仕事の幅の広さも伺えますね…今回のように、複数の業種が一緒に作業する際に留意されている点などおありでしょうか。


「福祉大の現場は大体の業者が顔見知りですから、基本的にお互いやり易いことがほとんどです。

一方で、今回のように道路屋さんと組んで一番辛いのは…工期でしょうか。と申しますのも、工程で舗装の日程をおおまかに決めるので、こちらが作業を完成させなければならない日…締め切りは変えることができません。


ですが、工期中に雨が降ることもあれば雪が降ることだってございます。そんな時は最後に皺寄せがやってきてしまいますから…雨だろうが雪だろうが石を積まなければならなかったり、朝の8時から夜の11時頃まで石を積まなくてはいけいない工期もあります。

笑い話ではありませんが…夜石に当たったライトの影が人の顔に見えるくらいは疲れていたこともありました。」



なるほど…これまで数多くの過酷な工期のお話を伺って参りましたが、「この日までに仕上げなければならない」というプレッシャーとの戦いでもあるのですね。


「もちろん、一緒に作業が出来たり、機械の貸し借りも出来たりなど良い点もたくさんございます。一人で現場に取り組んでいるわけではない…という意識も芽生えますしね。

また、そうした経験を経て仕上がった現場を数年経って訪れるとなお感慨深い想いです。

10年も経てば石の色も落ち着いてきていることがお分かりいただけるかと思います、石の中の鉄分が酸性雨などで酸化し錆びて黒くなるのですね…いわゆる化学変化です。

自身が手をかけた現場を、振り返ることができるのもまた幸せな仕事だと感じます。」


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