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【代表の想い】vol.70[令和4年門松]


皆様こんにちは。清水園でございます。

本日お送りして参りますのは「令和4年門松」…弊社代表が制作に携わっております「仙台門松」につきまして、その復活の取り組みもいよいよ4年目を迎えたとの事。


「2019年11月…年の瀬も迫った頃、‘心のふるさと創生会議’の代表理事を務めておられる田中さんから突然「仙台門松を作ってほしい」と、見たことも聞いたこともない仙台門松の歴史資料の絵や写真だけを見せられ門前払いにしたのが最初の事でした。

長尺の松や竹、藁をはじめコナラといった簡単には手に入らない材料を使用した特殊な門松…紆余曲折あり制作に携わるようになってから早4年が経ちました。」


門松はその地域性が反映されるものだそうですが、「仙台門松」は旧仙台藩領で飾られていたことからそのように呼ばれていたようです。二本の心柱に松と笹竹を取り付け、高さ5m。

二本の心柱は「ケンダイ」と呼ばれるしめ飾りで繋がれ、心柱の根本には「鬼打木」という割り木が添えられる…という、特徴的な仕様です。また、現代ではなかなか手に入らない資材を使用していることもあり、戦後廃れてしまった文化物の一つです。


「一般社団法人心のふるさと創生会議が約10年前に仙台門松の普及を試みはじめ、2019年…伊達政宗公(仙台藩初代藩主)生誕450年の節目の歳末、2ヶ月足らずで仙台門松を世に出すという…今思えば大変なチャレンジングな試みだったと思います。

先日、そんな発足当時の様子を振り返る座談会を収録した『伊達の国を飾った仙台門松』という書籍が出版されたのですが…私も末席を濁す形で参加させて頂きました。


仙台門松の特異性ゆえ、資材調達の困難さや求められる技術力の高さ…今後継承していく上で様々な課題は残りますが、その取り組みに賛同する団体・企業も年々増え、歴史資料をまとめる意味合いも含め記録として出版されたようです。」


清水園は2020年に仙台門松を手掛けて以来、年々その数も増え…2023年は東北福祉大学・うみの杜水族館・ウェスティンホテル仙台・鐘崎 総本店・高惣木工ビル、計5箇所の仙台門松制作を手掛けることとなりました。


「福祉大学本校の門松は今年が2年目でございました。5×7mのサイズ…実は昨年雨が降った後しめ縄が湿って重くなった事もあり、風の煽りを受けたのが懸念点としてありましたので…今年は転倒防止に補助的にワイヤーなども使用しています。


このクラスのサイズになると横竹を見繕ってくるのも骨が折れます。また、竹は本来葉が付いているものを左向きに使用する(神様が左にいらっしゃるとの事から)のがセオリーですが、ここまでこだわることができるのは、自社で管理している山から伐採・調達しているからという強みゆえでございます。


竹はそれ自体寿命が長いものではなく、おおよそ7年。今回は3〜5年程度のものを使用しています。竹が若すぎても横にした時強度が弱いので…このちょうどいい年代を選ぶというところも味噌でしょうか。


竹にせよ、松にせよ、コナラにせよ…やはり育てる為の林の管理が大切です。適度な間引きをし、資材が曲がったり細すぎたりといった状態にならないよう管理する。資材として使用するまでに林を管理する事もまた、手間の必要な工程なのです。」


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設置の際は、ある程度社内で組み立てたものを現地へ搬入し、仕上げるようです。


「鬼打木などは、松を差し込む中心部分を開けた状態で、ドーナツ型のものを形成しておきます。外側3周ほどは外から釘を打ち、中側2周ほどは中からネジで固定しばらけないようにして搬入致します。現地では松を立てた後隙間のないよう薪を差し込んで固定して参ります。」


作業中に社員が竹を抱えている様子など、仙台門松の大きさが伺えます…

また、会場により仙台門松の様相変わって参ります。うみの杜水族館は、屋内ゆえ2階にまで届きそうなスケール感。送風口が門松の背後にあった為、展示期間中は送風口を止めて頂くなどの配慮をお願いすることも…。


ここまでお写真を拝見しながらお話を伺っていた筆者は、ウェスティンホテル仙台の門松が他の門松と少々様子が異なる事に気づきました。また、2022年内に代表から「ウェスティンホテルか仙台門松制作の依頼が来たが、断った。」伺っていた為…若干の驚きを感じながらも詳細をお尋ねすることに。


「そうなんです…何度もお話を頂いたものの、弊社の倉庫火災の一件もあり資材の調達をはじめ制作が追いつかないと考え、お断りしておりました。ですが、2022年12月22日…正月飾りの資材生産が盛んで、仙台門松制作の初期から関わっておられる丸森町の方が「ウェスティンホテル仙台用に」と資材を持ってこられ…「これでなんとか作ってもらいたい」と田中さんに何度も頼まれたので断る術はございませんでした。出来たばかりの弊社新倉庫で仮組し…試行錯誤の末、完成しました。弊社としては珍しい三本足に仕上がったのもこの為です。


ただ、やはり自分で採取した資材とは勝手が違い…どのようにして松を水平に収めるか、傾かないように倒れないように設置するか、工夫を強いられたのも事実でございます。結果的に、松を冬囲いする時のように間に藁を入れ土台を隠し、鬼打木はかすがいで固定するなどしなんとか無事に収めることが出来ました。」


なんと、そのような経緯がおありだったのですね…その甲斐もあってか、仕上げた門松は大変評判も高かったとの事。例年手がけている鐘崎や高惣木工ビルの門松も、建物の入り口に合わせた高さ・様相で大変見栄えが致します。


「例年制作していると慣れもあるのですが…倉庫火災をきっかけに高性能な電動工具を導入しましたので、土台の鬼打木の加工や木材のカットも効率化が進みました。

社員は育ってきたものの、やはり最終的に責任を取る立場に私がある事、仕上げの細かなところが出来るのも私自身ですので…現地には必ず社員と共に設営に向かいます。

また、私自身にしか分からないような細かなこだわりはありますので…仕上げの際は小言を言いながら作っているものの、やはり出来上がってみると達成感があるものです。


最初は‘心のふるさと創生会議’代表の田中さんの無茶振りとも言えるご依頼から始まった取り組みですが…今では田中さんや郷土史研究家の菅野さんともすっかり仲良くなりましたので、今後もしばらくは仙台門松普及の一端を担うことになりそうです。」


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