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【代表の想い】vol.71[ステーション畑造成]


皆様こんにちは。清水園でございます。

さて、本日お送りして参りますのは「ステーション畑造成」について…「駅の畑」というお話ではなく、東北福祉大学・ステーションキャンパスにおきまして、新しく駅が創設されるにあたり通学路を拡張する…というお話からスタートして参ります。


しかしながら、ここから転じて‘畑を作ることになる’というのも事実…代表に詳しく伺いました。


「そう、ご紹介いただいたように元々は通学路を作ろうという構想からスタートした施工でした。それまで学生さん方はバスで通学されていたのですが、急遽駅が出来通学路も必要になった…という経緯でございました。歩くのもギリギリの通路幅で、お家も建っていましたから…解体屋さんと連携して、施工を進めて参りました。」


元のコンクリート壁を、ひとまず機械が入れる程度にまで人力でカットし、機械を入れてお家の解体を行い、一旦更地に致します。ここで当初は…道路を拡張し石積みで終わる予定だったとの事。ですが隣のお家の擁壁に石積みを繋げていく途中に「畑も作るから。」との鶴の一声があり、畑への通路も作ることになったそうです。


「そういった設計変更はよくある事で、またこれは私側での変更点なのですが…例えば、完成写真にある入り口。こちらは元々予定されていなかったものなのです。道路を拡張する為擁壁を壊した分、土留めを行うだけだったのですが…目の前に広がる敷地を前に、過去の事例が頭をよぎりました。


敷地を作ったものの入り口を作らず、後から「作ってほしい」と言われたり「なぜ入り口を作らなかったんだ」と指摘された場合…作り直しは非常に困難をきたします。ですので、ここは私の判断で設計変更を行い、急遽入り口を残しておくように致しました。」


なるほど、敷地や動線、その後の使用方法などを考慮すると先手を打って作業を進める必要があるのですね…


「どのような現場にも工夫は必要ですが、この現場は特にそういった臨機応変な対応が求められた現場でした。敷地を造成…特に土台を削った後というのは、当然ながら大量の土が余ります。盛るにせよ下げるにせよ、土をどのように動かすか考えるのは造成を行う上で肝心です。

土を捨てるのにも、お金がかかりますからね…。この現場では、元々フェンス程まで高さのあった土を上に盛り、更地にした敷地内に土台・法面を形成し道を作りました。


さて…正面に道路があり、我々が更地にした所が第1畑とすると、そこに土を盛って形成した所を第2畑としましょう。実はその上方には既に第3畑があったんですね。結論から申し上げると、後にその第1と第3を繋げるように通路を整形しました。また、その通路の奥に第4の敷地を作り、通路から第4の敷地まで近道で行ける階段を作る…ここまでの複雑な施工になった次第です。」


この複雑な施工を、図面を引かずに頭の中で構築し施工してしまうのが代表の凄いところ…筆者は話半ばで「今、どこのお話をされていますか…」と幾度となく腰を折ってしまった次第です。


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「こういった現場では、使用する機械の大きさがミソになります。当然のことながら機械が大きければそれだけ一度に重量物を動かせるので作業しやすいのですが、一方で機械を入れる為に通路や敷地を拡げ過ぎてしまうとそれだけお金もかかり、また直すのも一苦労です。ですので、この現場では基本的に小型の機械を用いて作業を進め、道路も作って参りました。」


例えば、今回正面の道路では別の資材置き場に大型ダンプで砕石を運搬した後、3トンダンプに積み替え現場に運搬・地盤を固めていったとの事。石積みの際にクレーンは欠かせません…無事2トンクレーンを入れた後に石積みを開始致します。


「今回は既存のブロックにぶつけて石積みを行う必要がございましたので、このブロックの角度に揃えながら石積みを行う必要がございました。セットバック(階段状に積む事)を行いながら、ブロックの角度に合わせ積んで参ります。ネックなのは…道路が坂道になっているという点。ここは高低差に留意しつつ、1m20〜30cm程度積んで、植栽帯を作ってから引き続き石積みを行うなどの工夫を致します。」


石積みを終え、法面の整形を行います。ここでも重機の扱いがポイントで、通路の石積みを先に行ってしまうと重機が出られなくなってしまいます…ですので、法面整形を終えた重機を出した後に、入り口部分も石積みを行い、仕上げて参ります。


「そう…通路の石積みも法面の土留も行い、植栽も完成し撤収…という時に、まさに第1・第3畑を繋ぐ通路を作ってほしい、と言われた次第です。第3畑に関しましては、他の通路が既にあったのですが…敷地を全て繋いでしまおう、という結論に至ったわけです。」


通路も作りながら、草刈りも行い…法面も作りながら、植栽も行い…様々な工程を同時進行で進めて参ります。


「今回、これまであまり用いてこなかった手法を植栽で使用していますね…地面に杭を刺し、竹をエンドラインにして交互に編んで作った土留です。土留には板を用いることが多いのですが、竹が多くあり広い面を確保したい場合や、耐久性に板程のものを求めない場合には、竹は非常に便利です。


植栽にはサツキを用いており、サツキが育つ頃には竹は朽ちているでしょうが、根も張って法面の強度もしっかりとしている事でしょう。また、繁すぎていた木に関しては伐採・処分したのですが…チッパーという機械を用いてチップにし、先程の法面の植栽と竹の間に入れるなどして、フィルター代わりに使用しております。


また、伐採した木を丸太状にし階段として再利用するなど、環境へ配慮しながら施工を進めて参ります。7〜8年経った今も土砂崩れなど事故もなく、環境に優しく安全性を確保しながら施工できるのは我々造園家の強みだと感じます。」


紆余曲折ありながらも…いよいよ本当のラストは、入り口を積んで完成でございます。全体で1ヶ月半程手がけた現場だったとの事。臨機応変な対応を求められる現場で出てくるのは、手がける人の技術力の高さと引き出しの多さ…また‘自然との共存’という意識は、造園家ならではなのかもしれません。


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