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【代表の想い】vol.86[若林区 S邸造園工事]


皆様こんにちは。清水園でございます。

さて、日々生活を営む中で「住宅」というのは切っても切り離せない存在である…ということは皆様周知の事実でございますが、そういった住宅を「作る・建てる」となった場合、当然のことながら皆様にとっての「こだわり」が反映されてくるものと存じます。「必ず南向き」「休日には家庭菜園が出来るような敷地が欲しい」「子供たちが安心して遊べるような家がいい」…など様々かと思うのですが、本日お伝えしてまいりますのは「どうしても中庭が欲しい」という施主様からのご依頼を受け、弊社が手がけた「若林区 S邸造園工事」のお話でございます。


「こちらは、建物は大工さん・外構は清水園…と当初から分けて依頼をされていました。先のお話にあったように‘どうしてもリビングと和室から庭を見たい’と強いこだわりをお持ちの方で、そのご希望を叶える為に少々工夫を求められた現場でもありました。」


京都などでは、採光をとるために中庭を作るケースが度々あるそうです。その場合「中庭をどこから見るかが非常に重要」と代表は語ります。

「例えば、建仁寺のように中庭を囲うような設計は寺院などで多く見られるのですが、360度どこから見ても綺麗なお庭を作るというのは、実はとても難しいことなのです。こちらの現場はと言うと…2部屋・2面から見える設計だったのですが、この2面と言うのがまた厄介だったのです。」

と申しますのも…今の建物は住宅基準法の関係上‘基礎’が高く、2面のうち一面は洋風のお部屋で、窓のすぐ側にテーブルを置いて中庭を覗き込むような視点になるとの事。一方で、もう一面の隣り合うお部屋は和室だったため、畳に座り地面から庭を眺める視点…全く異なる角度から中庭を見るような設計だったそうです。

「この2面で視点の高さが30〜40cmは変わって参ります…場所によってここまで視点が変化してしまうと、植栽も非常に難しく…頭を悩ませましたが、なんとか和風庭園風に仕上げた次第です。」


まず、代表はこの庭の面積に対しては非常に大きなサイズの靴脱ぎ石を庭に設置されたそう。靴脱ぎ石は和室の高さまで届いており、目線の高さに石が見えることで石のサイズに対して‘程よい’存在感がございます。

「また、庭には出入りするわけではないので導線をとる必要がなかったのは一つ救いでした。靴脱ぎ石の他はモミジを主役に、シンプルに景石と灯籠だけを配置致しました。隣近所が見えないように人工竹垣を設置し、コンクリート壁はどうしても殺風景な印象を与えてしまいますからそこは隠すように石を置いてございます。」

仕上がったお庭は、洋室から見れば竹垣までの奥行きが感じられ、和室から見れば灯籠や植栽の趣が感じられる目に楽しい印象です。

「軒が深くコの字に屋根が張り出た中庭でしたので大きい植物は植えられずに、5〜6年後に育ってちょうどいいボリュームになるよう多めの植栽を施しました。モミジ・アセビ・タマリュウ・アオキ・カクレミノ…これらがまた育つ頃には、より風情ある中庭に仕上がっていることと思います。」


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洋室・和室…全く視点の異なる2部屋から見る中庭の設計に工夫を凝らし、無事趣のある和風庭園を仕上げる事ができました。素敵な中庭が仕上がった後は、アプローチから玄関までの造園工事にも取り組んでまいります。


「こちらは比較的面積のあるアプローチでしたので、L字型で3m程のゆったりとした植栽帯を設けております。ダイスギ・モミジ・トネリコ・ウメモドキ・サザンカ…様々な種類の植物を植えておりますが、奥にダイスギを植えることで、高さ・奥行きを感じられるように仕上げました。また、モミジはお家の前に植えることで程よい目隠しの役割も果たしてくれています。」


こちらも中庭同様、目に楽しい仕上がりになっております。アプローチから玄関までは玉砂利の洗い出しを使用しており、灯籠も良い佇まいです。また、併せて三銘石の一つである「鮫川石」を設置されたとの事で…こちらもまたお庭の中で存在感を放っております。


「鮫川石は現在は採石することが出来ない、高級石です。雨などに濡れると青く光って非常に美しいのが特徴で、重量もあり好き嫌いは分かれるのですが…合うお庭には非常に相性が良いと感じます。S邸を作庭する際にも‘鮫川石が似合いだろうな…’と思い運び込んだ次第です。」

そう、当然の事ながら非常に重たい石…現場はクレーンも届かなかったそうで、コロ引きで少しずつ運び入れたとの事。1.5トン程のサメカワイシは、運び込まれた後チェーンブロックで所定の位置まで移動して参ります。


「皆さんがご覧になるのは、どうしても完了済み…既に石が置いてある現場だけをご覧になることがほとんどだと思いますので、こういった作業状況の写真は驚かれることが多いですね。まるで最初からそこに石があるように見えるのは、我々としては嬉しくもあるのですが…やはり石を運ぶ際の労力というのはなかなかのものであることは確かなのです。また、高さのある石だけでなく低い石も‘だからこそ’存在感が大切で、‘どうやって運び込んだのか’想像させられるのも腕の見せ所だと感じております。」


高い石から低い石まで…いくつか運び込まれていますが、その配置もまた重要だそう。石同士が重ならないように高さを変えて配置することで、お庭全体の空間・間を活かすことが出来るとの事。確かに…全景を見ると「何もない余白」も大切な要素になっているように感じられます。

「景石の置き方については様々な本が出版されセオリーなども紹介されていますが…お庭や石、現場によってケースバイケースだというのが正直なところでございます。どの形・置き方が一番美しく見えるかは、現場で角度や上げたり下げたり…を考えながら配置し、その時の適切解を導くのが我々の技量なのです。」


お客様の求めることをはじめ、現場一つ一つに対して柔軟かつ臨機応変に対応していくことが庭づくりにおいて非常に重要である…という事に、改めて気付かされた現場のお話でございました。


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