【代表の想い】vol.5 [城積み(野面積み)]


皆様こんにちは。清水園でございます。

本日お話させていただきますのは、造園家である代表が「最も辛かった」と語る現場についてでございます。

代表から話を伺うたびに驚きと気づきの連続ではございますが…なんとも運命を感じずにはいられない現場です。


皆様は、人生のターニングポイントについて思われるところはございますか?皆様によってその機会というのは様々かと思うのですが、「初めて手掛ける仕事」というのはどなたにとっても緊張感の伴う、忘れ難い記憶になることも多いように思われます。


私自身以前から気になっていた「代表にとっての初めての野面積み」というのが、東北福祉大学内の施設・ウェルコム21の「城積み(野面積み)」だったそう。


「石積みの種別は、大阪城や仙台城といった格式高い場所に使用される’切込み接ぎ’や、自然の石をそのまま積み上げる’野面積み’。また、石積みでも岩が崩れ積まれたように面を仕上げる’崩れ積み’など、その他にもございますが様々です。

石積みは上手く積めば積むほど、いわゆる’石積みらしさ’が無くなってしまう為、その塩梅を掴むには高い技術力と経験が求められます。」



石積みは通常、熟達し現場を取り仕切る50〜60代の親方が手掛けるものだそう。

「この現場の最初の石積みは、清水園の初代が手掛けたものでした。私が手掛けたのはそこから敷地内に建物を増築する関係で、その石積みを一部解体し積み直す…といった内容です。」

なるほど、清水園で積んだものを清水園で積み直す…施主様からすれば、問題なさそうな現場です。しかしここで事情の違うのは、この時初代は亡き後…当時30代の石積み未経験の代表が、その現場を手掛けることになったのです。


「異例中の異例です。野面積みの練習さえもしたことのなかった時分でした。まさか初めての野面積みが、石積みを得意としていた初代の積み直しになるとは…とはいえ、ここから後に引くわけにもいきませんでした。」



現場には代表を含め5人の職人、大型のクレーンが2台。それらが半年の期間現場にあり日々工費も発生する中で、順調に積める日・積めない日…勿論波もございます。

「石は一日に積められて5,6個。自分より年上の職人ばかりで、積めない日のプレッシャーたるや…相当なものでした。」

日々自分自身との戦いの中で、代表はなんとか現場をこなしていきます。

「なぜ出来たのか…自分でも不思議に思うくらいです。」


このお話しを伺う前に、私は事前に現場の写真だけを拝見しておりました。完成した現場はとても端正でいて、初めての石積みだとは言われても信じ難いような仕上がりです。

そして、ここまで伺ってからふと、石積みの奥に’階段’があるなあ…というところに視点が移ります。


「そう…元々この現場は土留をして終わる予定だったのですが、途中から通路を造る事になり…階段を造る事になったのです。」

代表…もしかして…「そうです、階段を造るのも初めてでした。」

開いた口が塞がらない、とはまさにこの事でしょうか。


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「階段が出来るということは、階段を挟むため両面に石積みを造る必要があります。つまり、片面の石積みを制作するよりも難易度がずっと高くなるのです。」


また、写真を拝見すると階段の入口あたりが少し低く積まれていることが分かります。

「本来であれば、石積みは平らに積むものです。とはいえ、階段を登る時に入り口の両側が高いと洞窟の中に入るようで非常に圧迫感があります…ここでは、階段の中央あたりを1m80cm、右肩が−35cmになるよう斜めに積んであります。また、階段は勾配差から段数を決定し、登りやすい12cm程度の高さで設計しました。」


石積みを斜めに積むのは平らに積むよりも難しいこと。また階段の設計についても初めての現場とはいえ、最終の仕上がりを想定しながらあえて難しい方法を選択した代表の判断は、やはり造園家としての自負のように感じます。


「建築業は細分化すると26種に分けられます。その中でも造園業は特殊で、スタート時には設計図がありますが、進行途中に大幅に変更になることが多々あります。というのも石や植物など材料ありきの現場ですので、素材によってまた収まり具合によって変更になるというのは常です。

それ故、石積みから植栽まで私の判断…経験値・工費・その他の要素もある中で自由のある苦しみはこういう事かと、実感した現場です。」



そんな中でも代表を駆り立てたのは、施主様からの「出来ない・やったことない、は言うな。」というお言葉だったそう。

「お客様にそう言われてから、自分でもその言葉は言わないようになりました。施主様から直々のご指名だったとはいえ、練習もしたことの無い石積みや階段の設計にしても、本当に逃げ出してしまいたくなるようなプレッシャーの日々でした。

亡き初代は当たり前のように凄い存在でしたし、大変高い壁だと感じておりました。ですが、この現場を通して感じたのは’人には成し遂げられない仕事は回ってこない’という事です。

これがなければ私の石積みの経験は始まりませんでしたし、自分自身にも仕事からも逃げなかったのは、私にとってとても大きな自信に繋がりました。全ては必要なときに必要なタイミングで物事が巡ってくるように感じております。」



代表と現場のお話しを通してその世界観や哲学に踏み込んでお話しを伺うことも多くあるのですが、この現場でのエピソードはまさに「縁・運命」を感じさせるお話しでした。

また、ここまで伺ってから「実はここまでは序盤で…」との事。運命の輪はここで回ることを止めてはいないようでした。

さて、「城積み(野面積み)」についてのお話しはこちらで一度区切りとさせていただきますが、「ウェルコム北側石積み・北側西側植栽」へこのお話しは繋がってまいります。

ぜひ楽しみにお待ちいただけますと幸いです。

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