【代表の想い】vol.8 [東北福祉大学 庭園工事]


皆様こんにちは。清水園でございます。 本日お話させていただきますのは「東北福祉大学 庭園工事」のお話しです。


「福祉大学・本校の現場ですね。大学が現場の場合、その多くは夏休み中に行われることがほとんどです。学生さんの居ぬ短い間に、迅速に仕上げていきます。」

現場はシンプルでありながら豊かな植栽をはじめ、その周りを取り囲む小さな石積みも印象的です。前回の’大きな石積み’とは対照的ですね。


「’大きな石積み’は’崩れ積み’という技法でしたが、この現場は’野面積み’という技法で積んであります。カーブを付け、さらに高低差がある石積みに…といったご要望でした。普段は細かな杭を打つことはあまりないのですが、この現場ではカーブが多いので打たざるを得ません。

また、カーブには大きな石は適さないので、小さな石をモルタルで固定して仕上げています。なかなか珍しく難しい石積みです。」

野面積みは接地面の摩擦力と重力で重なっているため、基本的には軽い石での野面積みは向いていないそう。カタカタしないようになるべく面で乗るように加工も必須との事でした。


小さな石での野面積みの連なり、その中に植えられた樹木もこだわりが感じられます。

サクラをはじめイロハモミジやサツキなど馴染み深い植物が並び、森を感じるような植栽。代表が植栽を行う時は、あまり多くの種類を使わず全体の統一感を大切にして厳選するそうです。


「様々な事を経験すると、植物に限らず’なぜそれが長年愛されるのか’が分かってくるように思います。長く使われるものは、一般的で調和が取れセオリーに従いやすいんですね。」

例えば10年後…その植物たちがどのように大きくなっているかを想像するそう。ガラス張りの建物がバックになるので、夏は木陰ができるよう、冬は暗くなりすぎないように葉が落ち日当たりがよくなるように…ガラスの手前に常緑樹が植わっていない事にも合点がいきます。


お写真を見返していると、‘サクラ移植’とラベルを振られた’着工前’と’完了’…見比べた時に、初見ではその変化に気づきにくいかもしれません。こちら、建物を増築するために8m程度前方にサクラを移動させたそう。


「夏の暑さは樹木にとってとてもストレスがかかってしまうため、本来であれば動かしたくはないのですが…夏休みの工期は譲ることが出来ませんので、なかなか心が痛みますね。」

1cmでも10mでも移動させる手間や樹木にとってのストレスは同じとの事。

なるべく樹木にとって負担が少ないように、急ぎながらも丁寧に行うことは必須だと代表は語ります。


「樹木を扱っているとそれらが’命を持つ生き物’であることを実感します。根巻一つにしても、手を抜くと植物たちは枯れてしまう。あくまで人間の都合で扱っている以上、健やかに育つよう守らなければなりません。」

造園は角度を変えてみたとき、自然の命を扱う仕事だということに気付かされます。


春に咲き散る桜、秋に染まる紅葉…振り返れば学び舎での思い出は、こういった植物の変化が共にあったように感じます。学生の皆さんにとって、これら樹々の成長が素晴らしい思い出の一端になっていることを清水園としても祈念してやみません。