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【代表の想い】vol.91[令和5年門松]


皆様こんにちは。清水園でございます。

本日お伝えして参りますのは「令和5年門松」について。かねてから弊社も参画しております‘仙台門松’の制作もいよいよ5年目…令和5年におきましては、計6箇所の門松制作を手掛けさせて頂きました。

 

「例年制作している、うみの杜水族館・鐘崎 笹かま館・高惣木工ビル・ウェスティンホテル仙台に加えて、弊社 清水園・仙台市役所での制作となりました。」


‘仙台門松’は伝統の象徴的な存在であるものの、仙台市役所に設置されたのは今回が初めてとのこと。

「この事でようやく、‘仙台門松は市に認められたもの’となったように思います。それを手がけることができ、大変光栄に思っております。とても意義深く、名誉ある事です。」

 

また、門松をたてるにあたりテレビや雑誌の取材なども増えたとのこと。清水園にもテレビ取材が入り、代表も先日制作した半纏を着て取材を受けたそうです。


「丸二日かけて取材をして頂きました。仙台門松の認知度も上がってきている印象ですね…また、仙台門松を設置する施設そのものも、辞めるところ・増やすところとあり…ここからも文化の流れを感じます。」


代表の元にも、今回手がけた施設以外から依頼があったそうなのですが…資材の調達や制作時間等の観点からやむなくお断りしたそう。

 

「実は、私が令和4年8月頃体調を崩してしまい…それもあり、門松の制作自体も早めに取り掛かってはいたのですが、材料や体調があってのことですのでなかなかスケジュール通りにはいかず。最後は社員一丸となって急ピッチで仕上げた次第です。」


門松は最初、しめ縄や土台作りからスタートされるとの事ですが…ウェスティンホテルと市役所の今回の土台はこれまでと全く違った印象です。


「ウェスティンホテルと市役所の土台には、こちらで用意した鉄板を2枚重ねネジ留めし、安定感のあるよう仕上げました。ネジ留めですと搬出時に分解できるので便利です。土台2枚・支柱と3つのパーツに分かれており、合わせると80kgございます。」

 

プロトタイプで丸い土台を作ってから、四角い土台を作成されたとのこと。鉄板は元々弊社の資材置き場にあったそうで、柱を入れるための丸い筒は別途購入し溶接したそうです。

「まさか植木屋の自分が鉄板を溶接して何かを製作するとは夢にも思いませんでしたが…会社の細かなものを直すのに溶接の経験はあったので、出来ることの引き出しがあるのは身の助けになるなと、改めて感じた次第です。」

 

門松は人の出入りの多い玄関前に置くもの…やはり倒れることがあってはなりません。この上に90kg近い重さの丸太が乗ることを考えますと、耐久性の重要さが伺えます。

「皆さんの多くがようやく一息つけるお正月という時期ですから…心穏やかに過ごしていただけるよう、こちらも安全面は万全に制作を進めて参ります。」


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「使用する木に関しては、今年も弊社管理の山から伐採して参りました。市役所に使用したマツは‘七階松’と呼ばれるとてもランクの高いマツです。全長およそ10mございましたので、山下で5mに短く切り運んで参りました。」


門松の為に長いマツを伐採している為、まだ細いマツも育つようになり良いサイクルが生まれているとの事。門松を一つ制作するのにも、やはり資材は欠かすことができません。


「土台に使用する鬼打は台形の末広がりに仕上がるよう、斜めに裁断する必要がございました。ルーターで切り出した骨組みに沿って、木時の間に隙間ができないように木を繋ぎ合わせて参ります。今年の仕上がりもいい状態でしたが…来年はもっと美しさを追求し、違う作り方を検討しております。」

 

門松の設置は、青葉神社での奉納式から始まり、徐々に各地への設置が行われたとの事。例年通り社内でお供物の下拵えをしてから、現地ですぐに取り付けられるよう準備をして現場へ向かいます。

 

「今回は自社の門松から設置をスタートしました。土台の木は鱗が重なるような印象に仕上げております。薪は元々丸く、それを自然かつ美しく再現しようと考えました。木を真四角でなくイチョウ型に割り、木が重なる時に目を割るよう組んで参ります。大変手間がかかりますし、細かなところはどなたも気に留めておられないかもしれませんが…ここはこだわりを持って仕上げております。」


確かに、土台を上から覗くと非常に耽美な仕上がりとなっています。こういった美意識の高さが、清水園の門松のクオリティの高さに繋がっているように感じます。

 

「翌日の朝には、うみの杜水族館。次いで高惣木工ビルへ向かいます。高惣木工ビルでは、看板が見えるように門松を設置しなければなりませんので、高くなりすぎず・低くなりすぎず…の塩梅を探りながら設置を進めて参ります。」


次に向かった鐘崎 笹かま館では、半纏を着て作業をしていた清水園社員を見て、社長ご自身も自社の半纏を着用し朱入れにご参加くださったそうです。


「ウェスティンホテルと市役所は、‘土台を見せる’デザイン設計で、冬囲いのように鉄板の土台に藁を巻く仕様で仕上げました。なかなかユニークで印象的な仕上がりとなっております。」


確かに、この中にあの鉄板が入っているとは夢にも思いません…代表のアイディアが最善の形で結実したようですね。


「今年は全体で22箇所、その内6箇所を弊社が手掛けさせて頂きました。1日にたてられる箇所も限られて参りますので、今後のスケジュールなども検討の必要がございます。とはいえ、バージョンアップは年々していきたい所存です。数よりは志…清水園をブランド化し、より良いものを作りたいという先様に、最高の門松を提供できたらと思っております。」


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